1. 生徒との接し方の基本
私は、長年民間の学習塾で小学生から高校生までの指導にかかわってきました。
民間企業である以上、生徒は基本「お客様」です。
お客様の「目的=成績向上・志望校合格」を達成するのが、塾講師の最優先の課題です。
その課題達成のためには、できることは何でもするというのが基本的なスタンスです。
しかし、お客様だからといって、何でも相手の言いなりになるわけではありません。
成績アップのために必要ならば、ときには厳しく叱ることも必要です。
むしろ、適切に叱ることがサービスの一部であるとさえ言えます。
「お客様の目的達成のために動く」と考えると、おのずと生徒との接し方の方針も決まってきます。
◆塾講師行動指針◆
①塾に来てもらう
まず、塾に来てもらわなければ、話になりません。そのためにできることは何でもします。
勉強ぎらいな生徒には、ほめたり、元気づけたり、時には厳しい言葉かけもしなければなりません(叱ったあとは必ず相手を認める個人面談をすることが重要)。
休みが続いたら、電話をかけてコミュニケーションをとります。
場合によっては、保護者の方と面談をし、ご意見ご要望をお聞きし、より良い生活習慣や親子の関係づくりについて相談にのります。
②生徒一人一人の情報をおさえる
・どういう性格なのか。
・どんな部活に入っているか。
・どんな習いごとをしているか。
・苦手科目と得意科目は何か。
・どういう言葉かけをうれしがるか。
・NGワードは何か。
・今日の肉体的・精神的状態はどうか。
など、生徒個人の特性と状態をなるべく把握するように心がけます。
これらの情報を得るために、授業中積極的に声かけをします。
授業中の雑談は、「生徒への声かけ・質問」を中心にし、こちらの反応は「相手を認める発言」が必須。
人間は、自分に重要感を持たせてくれる人に好意を寄せます。
生徒一人一人に関心を持ち、存在を認める言動を心がけましょう。
③毎回、全員に指名して答えさせる。
「今日は勉強したなあ!満足!」と生徒に思わせることを目指しましょう。
ただ座って説明を聞いているだけでは、生徒は満足感を得られません。
「指名して答えさせ、できるだけ正解する」
これが望ましいです。
しかし、正解しなくても問題ありません。
時々、答えを言うのを極度に嫌がる生徒がいます。
自信がなかったり、臆病だったりと原因はさまざまです。
しかし、間違えたほうが、人間の脳は活性化し、よりよく覚えると言います。
私は、ふだんから「間違いをおそれるな、間違った方が本番に強くなる」と繰り返し述べ、間違いを恐れず積極的に発言するように生徒に働きかけています。
お客様の目的達成のために、少しでも状況が良い方に進むことを目指した言動をすることが大切です。
それが、「プロ講師」だと私は思います。