◆語彙力をつける
上記の図は、読解力を構成する要素をピラミッドにしたものです。
受験における、国語の読解力をつけるには、
①言葉の知識
②理解の枠組み
③解法
④演習量
が必要です。
そのなかでも、読解力の重要な土台となるのは「言葉の知識」です。
じつは、入試に出題される評論文を読めるようにするには、
「漢字力」をつけること
が非常に重要なのです。
図1「現代雑誌九十種における語彙の構成率」 国立国語研究所
図1の表は、現代の雑誌90種のなかにどのような語が出てくるかを調査したものです。
図2 新聞記事における語彙の時間的変化分析 ―語種との関係を中心に― 山口 昌也 より
図2の表は、9年間にわたる新聞記事における語彙構成率の分析です。
どちらの表を見ても、文章における漢語の占める割合が非常に高いことがわかります。
つまり、入試現代文に出題される評論文を構成する言葉も、漢語の比率が非常に高いということが言えるのです。
現代文が苦手な原因に、「語彙力不足」が挙げられます。
高校入試や大学入試の評論文では、日常なじみのない評論用語が出てきます。
次の文章をみてください。
【早稲田大学 文化構想学部】
人によってその判定は異なるとはいえ、レトリックの死は常に近代の始まりと関連付けられて語られてきたことは動かない事実だ。デカルト以来の近代合理主義・客観主義の要請にレトリックは答えられなかったのだ。合理主義と経験論は万人の共有する「理性」と「感覚」にとって「明証的」なものを真理と措定した。合理主義者にとっては観念的実体が、経験論者には感覚的実体が、真理(真)として個人的な思惑とは別に、人間の主観の「外部に」客観的に存在する。この近代主義は「客観主義的実在論」と呼ぶこともできる。真理は客観的に存在するのだから、その真理をありのままに提示すればよい。論証すれば足りるのであって、( Ⅰ )の必要はない。いわんや言葉を飾る必要は微塵もない。弁論術も修辞学も出る幕はないということになる。
文章中の太字の「合理主義」「客観」「理性」「明証的」「措定」「観念」「実体」「主観」などの意味がわかるでしょうか。
なかなか難しいでしょう。
これらを評論用語と言います。
そして、評論用語のほとんどが漢語なのです。
これらの「漢語」意味がわからないと、評論文を適切に読むことはできません。
しかも、知っているだけでは不十分。文中で即座に意味を思い出せる(想起できる)かどうかが大切です。
一語一語を読みながら辞書のように頭の中を探していたら、読むスピードも理解もついてこないからです。
こういった評論用語の語彙を増やすには、次の2つのトレーニングがおすすめです。
◆語彙力養成のトレーニング法 その1◆
【教材】
・意味が載っている漢字問題集
・現代文単語集
【方法】
①漢字や単語の意味を見て、漢字や現代文単語を言う演習をする。
②完全に覚えてから進むのではなく、どんどん回して覚えられるものから覚えていく。
③一日10個ずつなどでなく、50~100個をどんどん回していく。
④一冊を何度も回し、次第に速度を上げ、想起スピードを高める。
これは、大量の語句を覚え、想起スピードを高めるための基礎トレーニングです。
ぜひ毎日続けましょう。
◆語彙力養成のトレーニング法 その2◆
【教材】
・国語の読解問題集
【方法】
①文章中の意味のわからない語句を辞書で調べ、欄外にメモする。
②内容を完全に理解した文章をくり返し音読する。
③スムーズに音読できるようになったら、高速で黙読する。