◆古典文法の学習


1. 古典文法の目的

 

入試古文の学習というと動詞の活用表や助動詞の接続の暗記などを思い浮かべる人も多いでしょう。

 

無味乾燥な暗記作業にうんざりした人もいるのではありませんか。

 

たしかに、それらの暗記学習も大切です。

 

しかし、もっと大切なのは、文法を覚える目的を理解することです。

 

目的を意識した学習はモチベーションと効率アップにたいへん役立ちます。

 

 

2. 古典文法は現代語訳するための手段

 

古典文法を勉強する目的は、古文を現代語に訳すためです。

 

もちろん、文法自体の理解を問う問題も出題されますが、それはごく少数です。

 

特に、近年は、細かい文法問題よりも、文脈の理解や大意把握の問題がよく出題されるようになってきています。

 

はっきり言います。

 

文法は現代語に訳すためと割り切り、短期でいっきにしっかり覚えてしまいましょう。

 

 

 

 

3. 暗記すべき古典文法

 

古文を訳すために暗記する必要のある文法項目はそれほど多くありません。

 

【暗記すべき古典文法】

 

①用言の活用

 

②助動詞の意味と活用と接続

 

③助詞の意味と接続

 

④敬語の仕組み

 

 

じつは、古文を訳すときにもっとも重要なのは、②③の「助詞や助動詞の知識」です。

 

 

たとえば、「源氏物語」の総語数は、37万6232語あります。そのうち自立語が56.8%、付属語が43.2%だそうです。

 

付属語とは、助詞・助動詞のことです。古典文法の助詞は約50語、助動詞は約30語しかありません。

 

 

つまり、おおざっぱに言うと、たった約80語の付属語をマスターすれば、「源氏物語」の約40%のことばを理解できるわけです。

 

助詞には、現代語と同じ用法のものもあるので、じっさいに覚えなければならないものはもっと少なくなります。

 

 

古文の理解には、助詞・助動詞の理解が重要だということがわかるでしょう。

 

 


4. 文法は何の役に立つか?

 

さて、その重要な助詞・助動詞を識別するときに重要なのが活用と識別です。

 

例えば、次の紀貫之の和歌を見てください。

 

夕月夜 をぐらの山に 鳴く鹿の 声のうちにや 秋はくるらむ

 

 

この歌の結句「秋はくるらむ」を現代語にせよといわれると、 だいたい「秋は来ているのだろうか」と訳す間違いが起こります。

 

なぜ間違いかというと、「くる」は「暮る」であって、「来る」ではないからです。

 

 

これを見抜くには、次の文法知識が必要です。

 

〇助動詞「らむ」

・【接続】ラ行変格活用以外の活用語の終止形に接続する。

 

〇動詞「暮る」

・【活用の種類】ラ行下二段活用

 

 

上の知識を使うとこうなります。

 

①「らむ」は終止形接続だから、「くる」は動詞の終止形のはず。

 

②「くる」は、「来る」と思われそうだが、「来」はカ行変格活用だから、終止形は「来(く)」。「来る」は連体形である。だから、「くる」は「来る」ではない。

 

③よって、終止形が「くる」になるのは、下二段活用の終止形「暮る」である。

 

 

だから、結句は「秋は暮れていくのだろうか」と訳すのです。

 

 

 

このように、助動詞の接続や用言の活用の種類と活用形とを学ばなければ、正しい現代語訳ができないのです。

 

しかし、逆に言うと、助詞・助動詞と用言を覚えてしまえば、重要な文法はほぼ制覇ということになります。

 

 

5. まとめ

 

古典文法は、古文を訳すために学習するのです。

 

正しい文法知識が、正確な現代語訳を生み出します。

 

目的を理解し、きっちり文法をマスターしましょう。

 

 

 

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