1)作文・小論文とは
作文と小論文とはどういうものか、および、それぞれのポイントについて説明します。
1. 作文と小論文の違いとは?
【ポイント】
・作文は、意見や感想を自由に述べた文章。
・小論文は、「意見+根拠(意見の正しさを証明するもの)」で、読者を説得する文章。
それぞれ、具体例を挙げて説明します。
《作文》
[題目]
あなたが学校生活で最も打ち込んだことについて述べなさい。
作文は、体験や見聞をもとに自分の考えを自由に述べる文章です。体験と考えがきちんと対応していて、題目から外れないようにするのがポイントです。
《小論文》
[題目]
現在の日本の高齢化の状況とその要因について考えを述べなさい。
この題目では、まず現在日本の高齢化の状況を正しく説明し、その要因について自分の考えを述べます。小論文ですから、相手を説得することを目指します。きちんとした理由を述べなければなりません。
2. 出題形式
《作文》
1)題目提示型
「〇〇について」などと題目だけを指定し、それについて意見を述べるものです。
作文は「題目提示型」が一般的です。題目としては次の三つがよく出題されます。
①学校生活で取り組んだことについて
②志望理由について
③将来の夢について
【ポイント】
※前向きな姿勢で自分をアピールする。
推薦入試は、どれだけ自分をアピールできるかが勝負です。
事実に基づいて、自分のやる気や長所などをしっかり伝えましょう。
《小論文》
1)題目提示型
小論文では、題目提示型は、あまり多くありません。
【例】
①校則について
②自由について
③窓
【ポイント】
「①」のような具体的題目は、身近な体験や知っている知識を挙げ、それをもとに自分の意見を述べます。
◆根拠となる体験や事実に説得力があるかどうがポイントです。
「②」のような抽象的で大きすぎる題目は、問題を小さく具体化しましょう。
たとえば、自由といっても、肉体の自由や精神の自由、選択の自由など、いろいろな自由が考えられます。
できるだけ多くの例を考え出して、その中から自分の書けるものを選びましょう。
◆問題を小さく具体的にしぼり、書けることを見つけるのがポイントです。
「③」のようなものは、連想力が勝負です。
「窓」とは、建物の部分の名ですが、本物の「窓」でなく、比喩的なつながりのあるものを連想するのです。
つまり、②とは逆に、題目を比喩的にとらえて、そこに含まれるものの範囲を大きく増やすのです。
たとえば、現実の「窓」は、光や空気を取り入れるはたらきを担っています。それを比喩的にとらえて、「人間に必要なものを取り入れるはたらきをするもの」を「窓」と考えてはどうでしょう。
たとえば、「窓口」などは、人と人とのコミュニケーションをとる場所です。
また、「心の窓を開く」などというときは、相手を受け入れ、自分の素直な気持ちを伝えたりする出入口のたとえになります。
こう考えると、もう何でもありです。思いつくものの中から、書けそうなものを選びましょう。
ただし、題材はなるべく社会性のあるものが望ましいです。
小論文は、自分の意見を相手に納得してもらうことを目指す文章ですから、個人的な好みや感想でなく、多くの人々に関わりのある社会的内容などを扱う方が良いからです。
◆題目から、社会性のある題材を連想することがポイントです。
2)文章読解型
提示された文章を読み、その内容について意見を述べるものです。
この種の小論文は、まず文章の要約を求め、次にそれをもとに自分の意見を述べさせることが多いです。
【ポイント】
◆文章から筆者の主張を正しく読み取る。
◆筆者の主張について、自分の立場で論じる。
◆筆者の主張に通じるような体験や他の事実をあげると良い。
3)図表読み取り型
グラフや図などから得られる情報をもとに意見を述べるものです。
【ポイント】
◆数字を正確に読み取る。
◆なるべく多くの情報を読み取る。
さて、以上をふまえたうえで、どのような学習をするべきかに進みます。